慣れは禁物。初めてと思う姿勢が大切。

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お仕事 いいため話
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【仕事に慣れてはいけない。初めて話すと思え】

「自分でも言い飽きてるし、聞き飽きてるんだけど、お客さんは初めて聞くんだと。

自分も今までやったことない。

今日初めて噺をするんだというふうに高座の上で噺をするようにって、四代目の小さん師匠が言っていたと、私の師匠(五代目柳家小さん)から聞きました。

何回くらい聞きましたかね。

飯食ってるときとか、ごひいきのお客さんが集まって一杯やってらっしゃるときとかね。

あるとき、ふっと出てくる。

あ、また言ってる、みたいなね。

そういう格言というか、教えというか、心構えってえのがなぜできたかっていうと、それがいかに難しいかってことでしょう。

それはやっぱり、慣れてなぞってしまう。流すつもりじゃなくても流してしまう。

慣れてしまって、もう大丈夫という安心感で、緊張感というか集中力というか、そういうのが疎かになるということでしょうか。

実は私も毎回それが今の、というか、ずーっと私のテーマですね。

いや、初めて聞いたときは、そんな言葉があんのかって思ったぐらいだったんですがね。

それが段々、重ねるに従って、うわー、大きい壁っていうか、塊って感じで自分の前に立ちはだかってくる。

自分ばかりじゃない。兄弟弟子やら、うちの一門じゃない人たちの噺を聞いてても、結局はそこが大きいなって、大きなお世話ですけど、そう思う。

で、それをクリアーしているときってのは、まだ年数の若い人の噺でも、つい身体が前にのめり込んで噺の世界に入り込んでいくってことがありますね」

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「人生と仕事を変えた57の言葉」

NHK「プロフェッショナル」制作班

NHK出版新書より