
セブン&アイ・ホールディングス代表取締役会長“鈴木敏文”氏の「お客様のために」と「お客様の立場で」のお話が響きましたのでご紹介致します。
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わたしたちはことあるごとに、売り手は「お客様のために」ではなく、「お客様の立場で」考えなければならないといいます。
「お客様のために」考えるのと、「お客様の立場で」考えるのとでは、一見同じように見えて、まったく違った答えが出てくることがあるからです。
(中略)
つまり、「お客様のために」といっても、「売り手の立場で」考えたうえでのことであり、そこには、過去の経験をもとにしたお客様に対する思い込みや決めつけがある。
これに対し、「お客様の立場で」考えるときは、ときには、売り手としての立場や過去の経験を否定しなければなりません。
もちろん、「お客様の立場で」考えて「お客様のために」なることを実践している人たちも多くいるでしょう。
しかし、無意識のうちに、「お客様のために」といいつつ、「売り手の立場で」考えていることが多いのです。
それは、わたしがお話を聞いた方々のなかにもいました。
奇跡の変革を実現した旭山動物園の前園長、小菅正夫さんもそうです。
「お客様のために」から「お客様の立場で」へと、視点が切り替わったことで変革がスタートしたのです。
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「売る力」
鈴木敏文 著
文藝春秋より
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