ズレをなくし一貫性を身につけましょう。「マーケティング・ピラミッド」を伝授します。

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真面目にお仕事 いいため話
画像:http://gahag.net/

「内での思考と外での行動が一致する」とは何かといえば、要は組織が掲げているビジョンや社是のとおりに、行動できているか、ということです。

もっとも、ネット社会において、会社の振る舞いが完全に透明になっている今、内と外のズレをなくすのは非常に難しい作業です。

しかし、本当にズレをなくすことができれば、その組織は、ものすごい訴求力を手に入れることができます。

それでは、いったいどうすれば、ズレをなくせるのでしょうか?

組織のズレを、マーケティングの観点からなくすために、私が開発したのが、「マーケティング・ピラミッド」です。

これには、次の三つのポイントがあります。

㈰ビジネスモデル(自社視点)

㈪顧客へのメッセージ(顧客視点)

㈫地域社会に対するリーダーシップ(地球視点)

ポイントは、この三つに一貫性があるかどうか。

たとえば、顧客へのメッセージが「みなさまの健康な食生活に貢献します」といっているのに、ビジネスモデルでは、「大量の汚染水やごみを排出して、地域の環境を汚染しながら商品をつくっている」としたら、まったく噛みあっていません。

また、地域社会に対しては「地域経済に貢献したい」といっておきながら、ビジネスモデルでは「地域の労働力を安くこき使っている」「地元企業から商品を仕入れない」といったことをしていたら、これも噛みあっていません。

これでは、わかりやすいブランドとして世の中に伝わっていかないし、顧客から信頼されることもありません。

しかし、三つに一貫性があれば、「内と外、理念と行動が一致していて、矛盾やウソのない会社」として、顧客や地域に対して、強い訴求力を持つようになります。

ズレをなくし、一貫性を持つこと、すなわちコネクティング・インテリジェンスによって、どれほどの力が得られるのか、そのパワーの強さを実感されたのではないかと思います。

個人の場合、ズレをなくせば、未来に選ばれる勇気を得ることができます。

■激変する技術環境に対応し、未知なる分野に踏み出す勇気。

■暗闇のなかでも、輝かしい未来ビジョンを描き、一人からでも声をあげる勇気。

■自分と共振するビジョンを持つ組織を見分け、その組織とともに成長していく勇気。

の三つですね。

一文でいえば、「暗闇に飛び込み、自分で光を見い出し、声をあげ、仲間をみつけ、新しい世界を創る勇気」となります。

これらを得るためには、どのようなズレをなくすことが必要なのでしょうか。

ポイントは次の三つです。

㈰思考と感情

㈪個人と社会

㈫意図と行動(振る舞い)

まず「思考と感情」とは何かというと、思考とは、論理的思考などの知的な思考のこと。

一方、感情は、その人の素直な本心からくる感情ですね。

「建前と本音」と言い換えてもかまいません。

仕事をしていると、思考と感情はバッティングすることがよくあります。

思考に対して、ネガティブな感情を持つと、必ずなんらかの歪みが生じます。

自分の感情をごまかしきれなくなった社員が、「この会社はお客様第一主義といっておきながら、廃棄食品を再利用している」などと内部告発するのは、その典型的な現れです。

二番目の「個人と社会」とは、「個人と組織」と言い換えてもいいでしょう。

要は、社員の目指す方向と所属する組織の方向、組織がやろうとしていることと、自分がやろうとしていることが一致しているかどうかです。

これが少しでもズレると、社員は仕事に身が入らなくなります。

そして三番目の「意図と行動(振る舞い)」とは、組織やリーダーの意図と、実際の行動のことです。

組織の経営陣は、「理想的な世の中を築きたい」「人類の発展に貢献したい」という理念やビジョン、行動原則を出しますけれども、それが現場に落ちてくると、「しょせんは理想論。そんなことをやっていたら利益が出ない」といって、ビジョンや行動原則に反する振る舞いをしてしまうことがあります。

これは、現場の人だけでなく、ビジョンを出したトップ自らも犯してしまうことがあります。

以上の三つを一致させようと、常に意識していると、次第にやる気がみなぎり、迷うことなく行動できるようになります。

『未来から選ばれる働き方』

神田昌典 著

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