
カレー屋さんでカレーを注文して、順番を抜かされることがあります。
ここで、クレームになります。
飛行機内のクレームも、旅行代理店のクレームも、食事に関するものが一番多いのです。
直接、生存にかかわることだからです。
しかも、あとから来た人がカツカレーで、自分はすぐできるポークカレーです。
その人は、お客様側の意識になっています。
お客様意識は、他者思考です。
そういう時に、「なぜこの出来事が起こっているのか」「どのシステムに問題があるのか」と考えます。
これが、オーナー思考です。
お客様意識は、メンタルが弱くなります。
オーナー意識になると、メンタルは急に強くなります。
習いごとでも、お客様意識で行く人がいます。
グループレッスンで、「私よりあの人のほうがレッスン時間が長い」と言うのです。
その時間をはかっている間が、もったいないです。
ムダなことをする前に、一生懸命レッスンすればいいのです。
「先生がほめてくれない」と文句を言うのは、お客様意識です。
「私は客なのに」とか「お金を払っているのに」と言う人は、お客様として扱われます。
「師匠と弟子」「先生と生徒」の関係ではなくなります。
サービス側にまわることは、オーナー側にまわることです。
オーナー側にまわると、見方が変わります。
上司に対して文句を言うのは、「部下」というお客様意識です。
上司がわけのわからないことを言っていたら、自分は社長の意識に立ちます。
「自分が社長なら、この上司をこういうふうに教育するけどな」と思った時点で、上司にはイラッとしなくなります。
あらゆる場面において、たとえ自分がお客様でもオーナーの意識に立つようにします。
「お金を払っているのに」とか「オレは客だぞ」と叫んでいる人が、一番メンタルの弱い人です。
サービスサイドにまわることで、メンタルが強くなります。
助けられる側より助ける側のほうが、メンタルが強くなるのです。
『嫌いな自分は、捨てなくていい。』
中谷彰宏 著
Gakken
![]() |