インパクが大きい仕事をする

いいため 大きな仕事

これからの時代をリードするのは、もっと主体的に動き、学び続け、成長し続ける人です。

ゼロから新しい価値を生み出し、自分にしかできない仕事をつくり出し、「社会にインパクトを与えるような仕事をする」という大きなミッションと情熱を持つ人です。

ここでいうインパクトとは、同じ時間で生み出す価値が大きいことをいいます。

「インパクが大きい仕事をする」ときに大切なのは、あれもこれもこなそうとするのではなく「ムダを捨てること」だとういうことです。

それは作業をがんばることではなく、むしろがんばらないことです。

がんばって手を動かす前に、落ち着いて頭を整理しましょう。

頭に余裕がなければ、新しいアイデアや深い思考はできません。

求めるインパクトを得るために、不要なものを「捨てる」決断が必要になるのです。

ときには、思い切ってパソコンから離れてボーッと空を眺めるほうがいいこともあります。

新しい価値というものは、いつでも「余裕のある頭」から生まれます。

僕が以前働いていたグーグルは、常に「10X(テンエックス)」、つまり「今の10倍の成果をあげよう」としている企業でした。

1割、2割の生産性アップではなく、いきなり10倍なのです。

それが絵に描いた餅に終わらなかったのは、グーグルの社員たちが、誰よりも効率的に、つまり「楽に」働けるよう、工夫をこらしていたからです。

それも、作業を1分1秒短縮するといったレベルの工夫ではありません。

10倍の飛躍を目指すからには、過去の延長線上の発想では全く足りません。

仕事の仕方そのものを見直す必要があるのです。

その結果としてグーグルの急成長と、世界にもたらしているインパクトの大きさは、まさに劇的なものです。

グーグルは、1998年にラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンの手によって創業されました。

それからわずか20年足らずのうちに、企業価値は15兆円を超えました。

年間の生産性は、従業員ひとりあたり1259万円。

ちなみに同じ計算をすると、日本の大手企業であるパナソニックの生産性は300万円、日立製作所は311万円です。

がんばらず、不要なものは捨てて効率よく働いて、4倍もの生産性。

「捨てる」は、これほどの生産性を実現するための、カギとなるものにほかなりません。

不要な仕事を捨て、やるべき仕事にフォーカスできれば、誰でもグーグルのように「世界にインパクトを与える」仕事ができるのです。

そもそも、ただ楽になっただけでは「つまらない」上に、仕事に集中できず、したがって、生産性も発揮できません。

先ほど、グーグルで働く人たちはがんばらないのに生産性が高いと言いました。

どうしたらそんなことができるのでしょうか。

1つの答えは、ごくシンプルに「集中しているから」です。

心理学でいう「フロー状態」をご存知でしょうか。

趣味でも仕事でも、時間を忘れてしまうほど何かに没頭しているときに、しばしば生じる精神状態のことです。

フローの状態に入ると、最高のパフォーマンスを発揮できると同時に、心にも余裕ができ、充実を感じられます。

どんな難しい課題も解決できるという自信が生まれます。

同じことはビジネスパーソンにも起こります。

職場に「あの人はいつでもエネルギッシュに動き回っていて、まるで疲れ知らずだ」と感心してしまうような人がいませんか?

その人は、フロー状態に入っている可能性が高いといえます。

フローにどれほどの効果があるかというと、フローの研究をしているシンギュラリティ・ユニバーシティのFlow Genome Projectは、次のように発表しています。

●創造性・課題解決能力が4倍になる

●新しいスキルの学習スピードが2倍になる

●モチベーションを高める5つの脳内物質(ノルアドレナリン、ドーパミン、エンドルフィン、アナンダミド、オキシトシン)が放出される

●痛みや疲労を感じなくなる

これほどに、フローの威力は絶大です。

しかも、誰でも望めばフロー状態に入ることができのです。

これを仕事に応用できれば、疲れずに短時間で、高いアウトプットを得られるのは間違いありません。

スティーブン・コトラー教授にいると、現実的には、平均的なビジネスパーソンだと8時間労働のうち30分、つまり1日のうち5%しかフロー状態に入れないと言われています。

それ以外の時間は集中できず、なんだかダラダラしてしまうというわけです。

『がんばらない働き方』青春出版社