渡邉 格 「田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」」

自然 いいため話
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自分の内なる力で育ち、強い生命力を備えた作物は「発酵」へと向かう。

生命力の強いものは、「菌」によって分解される過程でも生命力を保ち、その状況でも生命力を育む力を残している。

だから、食べものとしても適している。

反対に、外から肥料を与えられて無理やり肥え太らされた生命力の乏しいものは「腐敗」へと向かう。

生命力の弱いものは、「菌」の分解の過程で生命力を失っていく。

だから、食べものとしてはあまり適していない。

(中略)

ある意味で「腐敗」とは、生命にとって不要なもの、あるいは不純なものを浄化するプロセスではないかと思うのだ。

これは、映画『風の谷のナウシカ』の「腐海」のイメージに重なる。

「腐海」は、人間にとって有害な瘴気(しょうき)を出し、汚れた土を浄化して、自然界のバランスを取り戻そうとしている。

おそらく、それと同じことが、「腐敗」という作用のなかで起きていると思うのだ。

引用:田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」
渡邉 格 著
講談社