
自ら老人であることを知り、
自ら老人たりえる人物はほとんどいない。
自ら若人であることを知り、
自ら若人たりえる人物もほとんどいない。
何百年たっても、世界は依然としてあるだろう。
しかし、劇場や背景が同じであっても、その舞台に立つ俳優たちはもはや同一人物ではない。
好評を博した人も、悪名を流した人も、悲嘆し絶望した人も、みなこの舞台から姿を消している。
未だあらざる人たちもいつかはいなくなるだろう。
新しい役者がどんどん、その後を襲ってくるのだ。
さて、君は、君という「この世で唯一の役者」にどれほどの信頼を寄せているのだろうか?
引用:賢者の智慧の書
大竹稽 著
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