
卓越した能力をもたらすものは経験ではない。
長年取り組んでいることでたいした業績を上げず経験だけは豊富な人が周囲に多くいるし、
実際多くの分野で何年にもわたり携わっていることでむしろ能力が下がっている人がいるという証拠もあるからだ。
卓越した能力は生まれつきの特定の能力によってもたらされるものでもない。
たとえいくつかの生まれつきの能力があったとしても、優秀さを決定づけるものではない。
そのような能力の存在に疑問を投げかける広範な証拠も検討した。
この種の能力をもっていると思われるような人が必ずしも卓越した業績を達成していないことが多い一方、
とてつもない成果を上げてきた人が生まれつきの能力を持ち合わせていないことも多いのである。
卓越した能力をもたらすのは知能や記憶力といった一般的な能力ではない。
多くの分野で知能と業績との間の関係はほとんどないことを研究成果は示している。
IQがあまり高くない人がときには際立った業績を上げる一方、IQの高い人がときには平凡なレベルさえにも至らないことがある。
また、記憶力は後天的に身につける能力である。
引用:究極の鍛錬
ジョフ・コルヴァン 著
米田隆 訳
サンマーク出版
![]() |