もうモノは売らない

売る いいため話
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誰と結婚するか、なぜ家や車、あるいは服や時計を買うのかといった、重要な決断は感情脳が下している。その仕組みはこうだ。

正確な時間を教えてくれて、しかも何年も使える道具を買うための費用は、およそ20ドル――これが理性脳による判断だ。

ところが、もし自分の成功やセンスのよさを表現したいと思えば、その道具に2000ドルを払うこともある。

高級腕時計メーカーが語るのは、その卓越した正確性ではない。腕時計とはなんの関係もないことばかりだ。

たとえば人間は何を探求し、発見し、どんな偉業を成し遂げてきたか・・・。

2002年3月14日、私はデンマークの旧証券取引所でマーケティングの原則について講演をした。

「最初に言いたいのは、私は飲料水ビジネスをしているのではないということです。私がしているのはブランドビジネスです。

これはとても大切なポイントです。私たちのビジネスの価値はすべて、脳のなかにあるということをよく覚えておいてください。

ちなみにそれは、脳の合理的な部分ではありません。感情をつかさどる部分です。

ブランドの価値は、コカ・コーラというブランドを気に入ってもらうための小さな工夫のなかにあるのです。

私がしているのは、ブランドに恋をしてもらうことなのです。ブランドに恋をしている人が増えるほど、その価値は高まります。

人々は感情にはより高い金額を払うからです。ブランドがなければ、それは単なる製品です。生活日用品には、人はその製品のコストしか払いません。大切なのは、ブランドに恋をしてもらうことなのです。

そうすれば、人に対して恋をしているときとまったく同じことが起こります。それは同じ化学反応であり、同じメカニズムです。したがって、同じテクニックを適用することができます。

ちなみに、私たち全員にとって素晴らしいことに、人は複数のブランドに恋をすることができるのです」

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もうモノは売らない

ハビエル・サンチェス・ラメラス 著 / 岩崎晋也 訳

TOYOKAN