無私 利他

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海 いいため話
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リーダーと呼ばれる人間が第一に身につけるべきは、誠心です。

カネや地位、権力、策略は、一点の曇りもない誠心誠意の志に歯が立ちません。

偉業というものは、西郷隆盛がそうであったように、高潔で清らかな思いがあってこそ、初めて成し遂げられるものです。

誠心誠意の志とは、無私の精神です。

征韓論に敗れた西郷は、参議を辞めて下野し、生まれ故郷の薩摩に帰りました。

その西郷を追うように、維新の功績で明治政府の官僚になっていた薩摩の若い士族たちは官を離れて、鹿児島に帰っていきます。

西郷はそんな多くの若者が爆発し、西南戦争が勃発すると、何も言わずに「俺も行こう」と身を投げ出しました。

そのような生き様に、無私の精神を感じます。

西郷の場合は、つねに無私の精神だったと言えます。

自分がないということが、西郷の生き様でした。

だからこそ、多くの人の共感を呼び、みんながついていくのです。

それでは、無私の精神は、どうしたら会得できるのでしょうか。

この精神は学ぶことではなく、「無私でありたい」と心の中で強く思い続けていなければなりません。

やはり人間には欲があり、自分が一番大事ですから、放っておくとどうしても欲が芽生えます。

無私とは真逆の利己の心が自分の心を占領します。

つねに自分を戒めて、無私であるべきだと、心の中で何度も唱えることが大切です。

「自分のまわりの人たちを幸せにする」、そのことを自分に言い聞かせていかなければなりません。

生まれながらにして聖人君子のような人もいるかもしれませんが、われわれ凡人は心の中で強く自分を戒めて、教えていかなければならないのです。

私もまた、無私、利他ということを強く意識して生きてきました。

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無私 利他

稲盛和夫 監修

プレジデント社