
信長 人を導くときに意識していることってありますか?
一人 あるとしたら、愛だよね。
信長 愛なんですね。
一人 そこに愛があるのならね、相手はよくなるんだ。
それが、日本人らしさの愛としての“アイ”ね。
でも、英語の“アイ”は“ I ”だから、自分のことを意味するんだよね。
まずは、自分ありきということ。
でも、だからといって、日本人の愛は自分を犠牲にすればいいという意味でもないんだよ。
やっぱり、自分のことは大切。だって、人にばかりご飯を食べさせてあげて、自分は食べなかったら三日と持たないでしょ。
だから、人に尽くすばかりだと長続きしない。
でも、もし、本当に人のためになることをやっているのだとしたら、それはきっと、自分にもプラスになっているはずなんだ。
(中略)
さらには、それが無償の愛のもとで行われるものなら、与えた方の側ももっと戻りは大きいんだよ。
たとえば、木霊(こだま)ってわかるかい?“おーぃ”って山に向かって叫ぶと、音があたりに反響して、叫んだときよりも大きな響きで“おーぃ”という木霊になって返ってくるよね。
だから、もし、何か叫んだつもりでも、木霊が返ってこないのなら、最初から声は出していなかったというわけだよ。
つまり、何かを差し出したつもりでも、実は、そうではなかったり、あと、その人には役に立っていないことだったりするんだ。
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斎藤一人 魂力
信長 著
信長出版
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