
突然ですが、あなたはなぜ、食事をするのでしょうか。
最もシンプルな答えは、「おなかが空く」からです。
もちろん栄養を摂取するのも大きな目的ですし、今日食べないと食材が悪くなってしまうとか、仕事相手との関係を密にするため、といった理由もあるでしょう。
しかし「何か食べたい」と渇望しているとき、直接的な理由はやはり「おなかが空いた」ということが一番です。
これが食事をする最大の「動機づけ条件(行動したくなる理由)」です。
私は行動科学マネジメントを普及させるために、講演やコンサルティング、執筆活動に取り組んでいますが、これらの機会を通じて驚かされることがあります。
それは、人間の行動原理を正しく把握できている人があまりにも少ないことです。
行動に直結する動機があるからこそ、人は行動する。
こう書くと当たり前のように感じられますが、この因果関係をはっきりと意識している人は意外に少ないようです。
人が行動するとき、そこには何らかの動機づけされる条件があります。
コートを着るのは寒いからだし、上着を脱ぐのは暑いからです。
バスに遅れまいとして走る、疲れたから腰を下ろす、汗で気持ち悪いからシャワーを浴びる。
行動の大部分はこのような因果関係から生まれます。
「動機づけ条件 → 行動」という流れは、いかなる行動にも共通する大原則です。
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すごい「実行力」
石田 淳 著
三笠書房
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