
苦さを知ってこそ、甘みもよくわかる【苦さの味を知らぬものは 甘さもわからない】(ドイツのことわざ)
このことわざの意味するところは、人生の苦しみを経験したことのない者に、人生の本当のよさはわからないということである。
または、人生の悲しみや苦しさを知った者でないと、他人のよさも見分けがつくものではないということであろう。
「涙とともにパンを食べたことのある者でなければ、人生の本当の味はわからない」という言葉もあるが、これも同じような意味である。
無理してつらい目にあったり、悲しいことを経験する必要はないものの、生きていくうえで人は必ずつらい目や悲しい目にあう。
感受性豊かな人は、この経験をもとにして、その先の人生に生かしていくのである。
そうすることで、その人の人生は一味も二味もよくなっていく。
他人からしても、そんな人にこそ頼りたくなる。
何の苦労も、苦い経験もない人は、恐くて頼れるものではない。
だから、つらいことにあっても、これは自分のためになる経験だと自分を励ましたいものである。
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世界のことわざ100
遠越 段 著
総合法令出版
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