2020年に残業ゼロ

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残業 いいため話
画像:http://publicdomainq.net

労働時間を短くしても企業としての競争力を維持するには、生産性を引き上げる取り組みが欠かせない。

しかし、その手当もないままに残業削減を標榜する企業も少なくない。

ハードワークもなく、生産性向上策もなく、どうやって勝ち抜くのか。

そんな中、日本電産が今、「2020年に残業ゼロ」を掲げ、働き方改革=生産性改革に取り組み始めて話題になった。

2016年1月からスタートして残業をすでに半減し、目標実現に近づいているという。

一体、何が起きているのか…。

ただし、永守重信(日本電産最高責任者)自身はハードワークの旗を降ろしてはいない。

今取り組むのは、生産性を上げて、より短い時間の中でいかにハードに働くかである。

外から見れば、改革前と後のギャップは大きいが、永守にとってはそうではないのかもしれない。

創業から40年あまりの永守の戦いは、そんな壁を突破し続けるものだったからである。

永守経営は、社員の士気の高さ、つまりやる気を何より重視する。

社内の熱気を高くしながら、徹底したコスト削減としたたかな戦略眼で市場に切り込む。

1980年代から1990年代にかけては、ハードディスク用の精密モーター市場をそれで席巻し、2000年に入る頃からは、海外企業のM&Aで車載、家電・商業・産業用モーターへの事業ポートフォリオの拡大・転換を果たしてきた。

いつの時代も、先を見た戦略と現実的な戦術、士気の高さに支えられた実行力を構築し、磨き続けた。

足元の働き方改革もまた同じである。

「残業ゼロ」といった大胆な発言ばかりが注目されるが、その裏にはしつこいほどの成長策があり、社員の仕事の進め方への指導がある。

企業と社員が、どうやって勝ち抜いていくのかを徹底して考え、戦略を立て、戦術を作り、実行してきたのである。

《永守語録》より…

■物事の成否はまず、やる気で決まる。無気力でかつやる気のない社員を歓迎する会社はどこにも存在しないし、存在すれば、その会社は倒産するか、業績悪化するかのどちらかである。

■事にあたっては「必ずやるという信念」「出来るまでやるという執念」「必ずよい結果をもたらすという自信」が大事だ。

■物事が実現するか否かは、まずそれをやろうとする人が、できると信じることから始まる。自らできると信じたときにその仕事の半分は終了している。

■企業の命運を左右するものは人材であることは論を待たない。それには、高い能力の持ち主の人間集団であることも大切だが、いかなる風雪にも耐え得る強い心の持ち主が何人いるかが、もっとも重要だ。

■仕事というものは、本来決して楽しいものではない。もし、楽しいものならば遊園地とか映画館などと同様に、私は毎朝会社の玄関で社員一人ひとりから入場料を徴取する。それをやらないということは、働く、仕事をするということが、いかに苦しいことがを知っているからである。

■ネアカ、生き生き、へこたれず

『日本電産永守重信が社員に言い続けた 仕事の勝ち方』(田村賢司著)日経BP社