21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由

banner02
歌 いいため話
画像:http://publicdomainq.net

実はいま、スタンフォードやハーバードなどの米国のMBAトップスクールに通う人たちの間で人気が高まっている授業に、「デザイン」があります。

「え?ビジネスマンがデザインなんて、本当に学べるの?」という声が聞こえてきそうですが、ビジネスキャリアの中でデザインを学ぶということは、欧米のトップスクールでは当たり前になっているのです。

MBAでは論理的思考をベースにした「ビジネスをより効率的にするやり方」を教えるアプローチが取られているのに対し、デザインは今までの延長線上にはない「まったく新しい事業、商品やサービス、プロセス等を創るやり方」を教えています。

私は、ビジネスマンが学べるデザイン、「デザイン思考」教育の老舗である、イリノイ工科大学デザインスクール(以降ID)を終了しました。

留学時代、デザインをより本格的に学んでいる私の話を、世界各地のMBAに通っていた友人はたいへん興味深く聞いてくれました。

それもそのはず、世界中の企業が大きな変革を求められ、既存のビジネスを立て直すだけでなく、新規事業を創り出す動きがより盛んになっているという背景があったのです。

いま、世界のMBAトップスクールは、「デザイン」を取り込む潮流の中にあります。

《先進国企業のビジネスに求められるイノベーション》

日本をはじめとした先進国では、社会が成熟するに従って、企業は非連続なイノベーションを生み出し続け、生き残りを図らねばならない事態に直面しています。

新興国の財閥や巨大ベンチャーとの競争も激化し、既存の企業は収益モデルの大胆な転換を求められています。

「目の前で本業が消えていく」「新たな新規事業を作らないと生き残れない」そんな会話が会社内で飛び交う機会も増えているように感じられます。

《一億総クリエーターとなれるインフラの整備》

インターネットとスマートフォン、ソーシャルネットワーク(SNS)の出現は、社会の構造を変えてしまいました。

創作活動や表現活動といえば、これまでは一部の人にかできませんでしたが、スマートフォンとパソコンさえあれば、誰にでもできるようになっています。

Facebookのユーザー数は世界中で13億人、画像共有のインスタグラムのユーザー数も3億人に達しています。

個人がWEBサイトを立ち上げ、SNSのコミュニティーを駆使してマーケティングを行って生計を立てることも当たり前の時代になりました。

自分の創造力を活用して、日々の自分の生活をデザインし、やる気になれば商売をしていくことも可能になります。

《機械と人間の仕事の奪い合い》

ディープラーニングをはじめとする人工知能は、今後20年でめざましく発達し、それに伴って、これまで人間が行っていた仕事が機械に代替えされること予想されています。

オックスフォード大学のオズボーン教授によって発表された「コンピューターの進化によって消える職業調査」によると、代替えされにくい職業としては以下の2つが挙げられています。

1. ヘルスケアやラーニング、心理学などの人との「深い」コミュニケーションに関わる仕事

2. デザインやエンジニアリング、経営などの「創造」の中心にいる仕事

《自分らしい幸せを求める「足るを知る時代」へ》

社会が成熟した先進国において、人々が求める価値が、物質的な満足から精神的な満足へと変化する潮流があります。

2050年には、世界の人口は90億人を迎えることが予想されています。

限られた資源を今までの倍の人に行き渡らせることが人類の課題となる21世紀は、「自分らしい足るを知る時代」になっていくのではないかと考えられます。

日々、創造力を発揮するようになると、幸福感が増すということは、私が留学を通じて学び実感してきたことでもあります。

一人ひとりが、自分の生活スタイル自体をデザインし、自分の好みや天性に合った生活を送ることで幸福感を感じること。

そのためのスキルとして、「創造力を発揮させる力」が重要になっていきます。

『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』クロスメディア・パブリッシング