斎藤一人の「勝手に人が育つ」経営の極意

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電車 いいため話
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世の中の99%の会社は、借金をしているそうです。

でも、私の会社は今まで一度も借金をしたことがありません。

そこでよく「無借金経営」について聞かれるんだけど、借金している会社が多いから借金が正しい、ってことにはならないんです。

東大の問題でも、正解者が少ないからって間違いにはならないのと同じで、いくら数がすくなくても、正しい答えってあるんだよ。

結局、借金って「ないに越したことはない」んです。

ただ、重工業とかのように、大規模な工場とか先行投資が必要な事業だと、すべてを社長の個人資産でまかなうのは難しいこともあります。

だけど、無借金でできる事業もたくさんあるから、それでできるのなら、それに越したことはないんだよね。

借金すると、経営が早いんです。

店舗を増やすのでも、利益の中からだと出店資金が貯まるのに時間がかかるけど、銀行から借りればすぐなんです。

ただ、そこで考えなければならないのは、「借金しないとできない仕事を増やしていって、果たしてそれでいいのか?」っていうことなの。

世間の人は「50店舗経営してます」っていうと、その数に「すごいですね」って思うんです。

でも重要なのは、その50店舗の総トータルの利益がいくら出てるかってことであって、店舗数が多いからって必ずしも儲かってることにならないんだよね。

ところが、日本人は「シェア何%」とか、「店舗数〇〇」というと、その数や規模に「すごいですね」って思うんだよ。

これって昔の名残なんだよね。

江戸時代は「加賀100万石」とか、その藩のお米の取れ高で規模を表していました。

それで「100万石だからすごい!」って思うかもしれないけど、実際の内政は赤字かもしれません。

逆に、1万石でも豊かなところってあったんです。

その名残で、今でも日本人は、規模を表す数字の大小で会社の優劣を判断する傾向があるんだけど、最近では大企業が経営難で苦しんでいるというニュースって珍しくなくなりました。

大手の会社は、シェアを広げるために他の企業を買収しようとするんだけど、よく考えなきゃいけないのは、順調に売上を伸ばしている会社が安く売りに出ることはないんだよね。

「売りたい」には“売りたい理由(わけ)”があるんだよ。

そういうことも考えないで、シェアばかり大きくすることを考えていると、いずれはうまくいかなくなるんです。

そうなるのはやはり、シェアや規模が大きいほうが優秀だと思っている人が多いからなんだよ。

3店舗経営している人よりも、100店舗経営している人のほうが優秀だと思っちゃうんだよね。

でも実際は、3店舗だけで100店舗経営している人よりも多くの利益を出す人がいるんです。

戦後の雇用のないときは、規模が大きいとそれだけたくさんの人を雇用できるから、社会的な意義があったんです。

でも今は会社もたくさんできたから、次の社会的な意義は、しっかりと利益を出して税金を納めることなんです。

店舗数とかシェアのように、対比しやすい数字があると一般的には分かりやすいかもしれないけど、プロから見れば、ゼロは100をかけても1000をかけてもゼロなんだよ。

店舗数とかシェアの数だけに驚く人って素人なんです。

なかには、利益よりも店舗数を誇示する経営者とかっているんだけど、そういう人って「あなたは素人から『すごいですね』っていわれたいですか?」っていうことなの。

「企業が人を雇うことは、いちばんの社会貢献だ」っていうんだけど、たしかにそのとおりなんです。

でも今の時代は人手不足で、どこの企業も困ってるんだよ。

真の社会貢献は、「世間が困っていることに貢献すること」なんだよね。

今の時代は、高齢化やそれに伴う税収の不足が問題になっているんです。

だから、今は人を雇うことも大事だけど、企業がしっかりと利益を出して税金を納めることが一番重要なんだよね。

若い人たちが「世の中の役に立つためにNPO法人とかを立ち上げて…」っていうんだけど、それほど世の中の役に立ちたいんだったら、税金を払わなくて済むNPOじゃなくて、起業するにしても会社で働くにしても、しっかりと利益を出して税金を納めることを考えたほうがいいと思うんだよ。

「税金を払わない代わりに、国には頼らない」っていうのなら話はまだ分かるんだけど、そういう人に限って「国は何してるんだ!」っていうんだよね。

『斎藤一人の「勝手に人が育つ」経営の極意』(尾形幸弘)サンマーク出版