
実は、かつては誰もが「多動力」をもっていた。
そう、あなたが3歳児だったころ、「多動力」は確実にあなたの中にたっぷりと備わっていたのだ。
ご飯を食べていても、興味がころころ移っては、ジュースをこぼしたり、お皿を割ったり、親を困らせていたはずだ。
好奇心が抑えられず怪我ばっかりしていたはずだ。
しかし、多くの人は、子どもから大人になっていく中で、「多動力」がみるみるうちに涸れていく。
「やりたいこと」ではなく「やらなくてはいけないこと」をするように矯正され、バランスの取れた大人になる。
一方で、成功している起業家やクリエイターは、好奇心旺盛な3歳児がそのまま大人になってしまったような人が多い。
大人になるにつれ身につけるはずの分別や自制心を、彼らはいい意味でもっていない。
無分別であり、ストッパーが外れている。
だから、50歳になろうが60歳になろうが、興味があることに脇目も振らず邁進する。
その結果、誰もが考えもしなかったイノベーションを起こすのだ。
テスラ・モーターズCEOのイーロン・マスクは服を着られないらしい。
服を着ている間に、次にやりたいことを思いついてしまうから、ボタンを留めることができないのだ。
まるで3歳児がテレビやおもちゃに夢中になってしまって、いつまでたっても服を着替えられないのと同じである。
だからこそ彼は、常識にとらわれず、「火星移住計画」を立てたり、ロサンゼルスの渋滞に不満を感じれば、いきなり地下にトンネルを掘り始めたりしてしまう。
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多動力
堀江貴文 著
幻冬舎
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