
イケアの女性比率は六六パーセント。
「対面販売」「営業時間が長い」という特徴があるが、時間の制約を持っている女性でもみな、生き生きと働いている。
なぜ、そんな働き方ができるかというと、イケアには「労働時間の長さと活躍は関係ない」という前提があるからだ。
「イケアの社員として、イケアで活躍するために入っている」という考え方が貫かれている。
この話を聞いたとき、私は「なぜ日本は最初からこうできなかったのか」と暗い気持ちになった。
日本の企業では、活躍したり出世したりする人は、長時間働くことが前提になっていて、それができなくなれば、活躍から遠ざかるのが当然とされがちだ。
ところがイケアの場合、時間を基準にしない。
「誰もが自分の持てる時間の中で、イケアのために活躍すればいい」と考えるのだ。
入社時からのマインドセットがまったく違う。
「労働時間差別」がないのだ。
やはり「時間を評価の基準にしない」「時間で差別しない」ということは、さまざまな社員が生き生きと働くうえで、極めて重要なことだろう。
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御社の働き方改革、ここが間違ってます!
白河桃子 著
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