選手の道をあきらめて、マネージャーになった

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ジョギング いいため話
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私が通っていた高校は、とてもスポーツに力を入れている学校でした。

選手達のほとんどが寮生活で、全国各地から集まってきていました。

1年生の時に足を痛めてしまった私は、選手の道をあきらめて、あるチームのマネージャーとして頑張っていました。

初めのうちは、チームのまとまりもよく、何の問題もありませんでした。

でも、思春期の高校生達が一日中顔を突き合わせる寮生活ですから、どうしても人間関係がうまくいかない部分が出てきます。

そしてとうとう、ある時期からチーム内にふたつの派閥のようなものが生まれ、激しく対立するようになってしまったのです。

ある晩、寮に2台しかない公衆電話の使い方が長いとか、取り次ぎ方が悪いといったことが原因で、ふたつの派閥の間でスリッパや雑誌を手当たりしだいに投げ合う大ゲンカが始まってしまいました。

県大会の予選が迫っているのに、ここで選手達がバラバラになったら取り返しがつきません。

マネージャーの私が「なんとかしないと」と、そう思って焦っていたところに、寮のおばちゃんが登場してくれたのです。

おばちゃんは、地元の農家から通ってくる人で、寮の食事の世話や掃除などをするスタッフの中心的な存在でした。

歳は60代。

にらみ合うふたつのグループの間に立って、おばちゃんは言いました。

「あんたたち、せっかくのベッピンさんなのに、そんな恐い顔してさ、もったいないよ。

ケンカするよりも仲よくするほうが、毎日がずっと楽しいって、それぐらいわかるだろう?」

「うるさい!こんなやつらと仲よくするなんて無理だね!」と、興奮した誰かが叫びました。

その声がしたほうをおばちゃんはにらみつけ、野太い声で一喝しました。

「無理だって?嘘だね。

人と仲よくするなんてね、とっても簡単なことだよ。

『ありがとう』と『ごめんなさい』は、相手よりも先に言え!

たったこれだけで、人生うまくやっていけるんだよ!」

寮の雰囲気が変わったのは、次の日からでした。

本当はこんなくだらない争いをしている場合じゃないと誰もがわかっているのに、どうしたらいいのかわからない。

そこに響き渡ったおばちゃんの一喝で、みんなが我に返った感じでした。

その後、私達は県大会に優勝。

全国大会への進出を決めました。

《群馬県高崎市 まる子(37歳)女・主婦》

『人生はカレーライス! ~忘れられないあのひと言~』ニッポン放送