
目標の見えない作業ほど辛いものはない。
マラソンをするときに、10キロマラソンだとわかっていれば、ゴールを目指して走ることはできる。
しかし、ゴールがどこなのか教えてくれないマラソンは辛いだろう。
ただひたすら走らされるのである。
同様に、東京大学合格、開成中学合格という目標があれば、辛い勉強も頑張れる。
しかし、何のために勉強しているのかわからないまま勉強することは、苦行となる。
お嬢さんには、目標がピンときていなかった。
そりゃそうだろう。弱冠5歳で、「公立小学校と比べて私立小学校の教育はレベルが高く・・・」と言われても、理解できるわけがない。
「秋の入試を頑張りましょう!」とは、塾でもママさんに言っていたが、子どもにとって数か月後は、とてつもなく遠い未来の話である。
今頑張ったって、結果が出るのは遠い未来。やる気が出るはずもない。
なので、もっとわかりやすい目標設定をすることにした。
まず、お嬢さんのお受験友達を2人呼んでもらい、塾だけでなく家でも一緒に勉強してもらうことにした。
そして、プリキュアのシールを用意した。
問題に正解すると、シールを1枚あげることにしたのだ。
頑張って問題を解けば、1秒後にシールをもらえる。頑張りに対する「報酬」が目に見える。
また、お友達と一緒に勉強することで競争原理が働く。どこにでもありそうなシールなのだが、お嬢さんたちにはプリキュアのシールをGETするために必死だった。
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すべての「学び」の前に鍛えるべきは、「教わる力」である。
牧田 幸裕 著
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