ダブルスキルというブランディング

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ブランディング いいため話
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たとえばあなたが競争に勝って1位になれたとしても、翌年は、さらにすごい人が出てくる可能性もあります。

私は、「自分の過去」をさかのぼってブランディングのヒントを見つけましたが、それは「1位になった経験」を見つけたかったからではなく、「感動した瞬間」を見つけたかったからです。

過去を振り返り、「1位になった経験」を探しても、個人ミッションは見つかりません。

そうではなく、「今の実力のまま、どこに行けば1位になれるのだろうか」ということを、探し当てるわけです。

作家の中谷彰宏先生は、「成功とは、上昇ではなく、移動である」と述べていますが、「トップに立てる場所を探し、そこに移動する」のが、ブランディングをするということです。

競争を勝ち抜いてトップに立つのではなく、「ここは誰もいないぞ」というところを見つけて、そこに旗を立てることで、ブランディングは完成するのです。

私はアナウンサーとして入社した初日に、「アナウンサーを辞めよう」と決意しました。

「自分がどれほど頑張っても、この人には、一生勝てない」と思えるほど、優秀な先輩に出会ってしまったからです。

私は、自分がアナウンサーになったことで、「人と話すのが苦手でも、努力すればアナウンサーになれる」ことを身をもって証明しました。

しかし、プロのアナウンサーの世界で1位になれるかというと、それは無理だと感じました。

「しゃべりのプロ」のトップクラスは、私がどれほど努力しても届かないところにいました。

私は、入社初日に、「アナウンサー以外の何か」にならなければ、人生で勝つことはできないとわかってしまったのです。

結局、私が見つけた空き地は、「元アナウンサーの作家」というポジションでした。

多くのアナウンサーは、テレビ局のアナウンサーを辞めたあと、フリーアナウンサーになります。

ということは、私がフリーアナウンサーになっても、差別化を図ることが難しくなってしまいます。

「元アナウンサー」という肩書を持っている人は、ほかにもいます。

ですが、「アナウンサーを辞めて作家をしています」という人は、ビジネス書の作家の中で、誰もいませんでした。

「ここだ!」と思って「空き地」に飛び込んだら、旗を立てる人は誰もいなかったのです。

大切なのは、勝つことよりも、「どうすれば負けないか」を考えることです。

負けなければ、いつかは勝つことができます。

今はブレイクしないとしても、5年後、10年後、20年後には勝つことができるのです。

1位を作るためには、「ダブルスキル」といううやり方が効果的です。

弊社の顧問弁護士をしてくださっている田中裕幸先生は、東大法学部在学中に、公認会計士の資格を取得して、卒業後に弁護士の資格を取得しました。

「公認会計士と、弁護士」という2つのスキルを持っているわけです。

公認会計士は難関資格ですし、司法試験も合格するのが大変ですから、「公認会計士+弁護士」というダブルスキルを持つ人は、なかなかいません。

田中裕幸先生は、ダブルスキルによって、「公認会計士+弁護士」というセルフブランディングができています。

「真似をしろ!」と言われても、難しいでしょう。

『1分間ブランディング』ヨシモトブックス