私は文系人間だから、理数系の話は苦手

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理系 いいため話
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「私は文系人間だから、理数系の話は苦手」…などと言っていられない時代が、とうとうやってきた。

周りを見渡しても、私たちはサイエンスやテクノロジーに囲まれて生活していることは明らかだ。

「人工知能」や「ロボット」、「ドローン」や「自動運転」などという単語は、一般の新聞や雑誌でも珍しくなくなっている。

そんな今、苦手だから、興味がないから、知らないからと、理数系の話を遠ざけるのは損である。

というか、まったく危険だ。

遠ざけたければ、それも個人の自由だろう。

だが近い将来、そのような人は職を失う可能性が高い。

あらゆる仕事が、サイエンスやテクノロジーとかかわるようになるからだ。

仕事だけじゃない。

生活全般とかかわるようになる。

たとえば、医療はますます自己責任の比率が高まっていく。

同じ病でも治療法は多岐にわたり、その中から何を選択するかによって治療の可能性が変わる。

それゆえにサイエンスやテクノロジーに無頓着であることは、命にさえかかわってくるわけだ。

では、どうすればいいのか?

シンプルに言おう。

STEM+Aの「STEAM」を学べばいい。

「STEM」は、英語では「幹」という意味だ。

自転車好きなら、フレーム本体とハンドルをつなぐパイプ状のパーツをステムと呼ぶことをご存じだろう。

しかし今、STEMといえば教育用語として使われることが多い。

「STEM教育」という言葉としても使われている。

STEMとは、

サイエンス(科学)の「S」

テクノロジー(技術)の「T」

エンジニアリング(工学)の「E」

マセマティクス(数学)の「M」

を並べた造語だ。

日本では「技術」と「工学」の区別は明確ではないが、技術はツールをつくること、工学はそのツールを活かす方法だと考えるといいだろう。

このSTEMという言葉を使い始めたのは、「アメリカ国立科学財団」とされている。

アメリカでは1990年代後半から当たり前のように使われてきた言葉だが、がぜん注目を集めるようになったのは、バラク・オバマが大統領になってからだ。

もともと教育問題への関心が高かったオバマは、STEM教育を重要な政策課題とした。

今やアメリカの教育界でSTEMは常識になっているが、これに「A」を加えた「SETEAM」という言葉も生まれている。

Aはアート(芸術)のAだ。

一方でビジネス界では「デザイン戦略」という言葉が、当たり前のように使われるようになってきた。

平たく言うと、“カッコいい商品をつくるにはどうするか”ということ。

過去に言われてきたデザイン戦略とは少し意味合いが違ってきている。

現在のデザイン戦略は、顧客とのコミュニケーションや仕事の進め方そのものもデザインすべきだという考え方に基づいている。

そのためにフローを再構築することを意味している。

さらに、これまでは設計や製造に押されがちだった商品やサービスのデザインを、よりデザイン優位で見直すという意味合いも含んでいる。

このとき、デザインをする側はSTEMを理解している必要があるし、STEMを専門としている人は、A(アート)を理解しなければならないだろう。

アートをより身近にするには、STEMに対するのとは別のアプローチが必要だ。

私は古いものより新しいもの、古典より現代の作品に触れるほうがいいと思う。

現代アートには「インスタレーション」(空間芸術)という表現方法がある。

1970年代からはじまったインスタレーションでは、空間そのものを作品にする。

古典芸術に比べるとインスタレーションは、現代人の心のより深いところにある潜在意識を刺激すると私は思っている。

だから、自分の潜在意識にある革新的なアイデアを表面化することに役立つ。

『AI時代の人生戦略 「STEAM」が最強の武器である』