師匠と呼べる人を1人に絞ってしまっていませんか?

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師匠 いいため話
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師匠には二つありまして、よいことをするのはそのまま真似をしていい、プラスの師匠であります。

悪いことをして、やってはならんようなことをして、それを真似すまいという人は、師匠は師匠だがマイナスの師匠であります。

そういうふうに見ますと、世の中のもの、こちらさえしっかりしておれば、師匠でないものはないわけであります。

あれはダメだというふうに捨ててしまうのは、気の小さい、奥の浅い人間がやることであります。

どんな人間に対しても、悪い人ならばその人の真似はしない、運よくばこちらの真似をしてもらえれば結構でありますが、そこまでいきますと少しあつかましくなりますから、これは賢い人ほど悪い人までも師匠にするのであります。

賢くない人は、かなり賢い人を見てもなかなか師匠にはならんのであります。

ですからこのことは、考えようによっては世の中の人のよい人は狭い意味での師匠であり、真似をしてもいいという師匠であります。

悪い人は、普通は師匠とは申しませんけれども、やっぱりそんなことをするなと教えてくれるのでありますから、真似をしてはならん師匠であります。

言うならばマイナスの師匠であります。

プラスマイナスの別はありますけれども、まあこちらさえ落ち着いて広い心を持っておれば、世の中の人すべて、師匠でない人はいないということにもなるかと思うのであります。

これはなんでもないようなことでありますが、毎日憤慨して生きるよりは、ずいぶんと嫌な人にも会うけれども、ああいうことをしてはならんのだなと、こっちは授業料を払っておるわけではありませんから、ただで教えてくださるのでありますから、ありがたいと思うのであります。

そういうふうに考えておりますと、世の中も広々としてきますし、またたとえ悪いことをやってもその人に人間としての愛情を持つことができるかと思うのであります。

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平澤 興 講話選集「生きる力 自分を育てる」

平澤 興 著

致知出版社より