
宙(そら)君は、その名前のとおり、宇宙が大好きな男の子です。
図鑑も本もマンガも宇宙に関するものしか読んでくれないと、お母さんは悩んでいました。
でも、それでいいと私は思います。
子供の好奇心に従って伸ばしてやることが、脳のより豊かな成長につながるからです。
脳には「汎化(はんか)」という特徴があります。
これは「何かひとつの能力が伸びると、それに直接は関係しない部分の能力も伸びていく」というものです。
宇宙が好きで星の図鑑ばかりを見ているうちに、言葉の能力も伸びていく、というようなことです。
何かひとつの分野に集中して取り組むと、脳内で、それに関連する神経細胞のネットワークが強化されます。
それにつられて、他のいろいろな部分のネットワークも最適化されるために、このような現象が起こると考えられます。
つまり、何かひとつでも秀でた能力があると、それにつられてその他の能力も底上げされるのです。
(中略)
苦手教科があると、親はついそれを勉強させようとします。
苦手を克服させたい、という気持ちはわかりますが、そうして子供の好奇心を奪ってしまえば、本末転倒です。
まずは得意科目を徹底して伸ばしたほうが、成績全体が上がりやすくなるといえます。
子供の自信という面から考えても、得意なことを伸ばしてあげることは、正しい勉強法だと思います。
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「賢い子」に育てる究極のコツ
瀧 靖之 著
文響社より
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