アンソニー・ロビンズ 言葉のパワーや影響力をどの程度知ってますか?

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アンソニーの名言 いいため話
画像:www.mewisemagic.net

何年か前、仕事上のあるミーティングで大いに目を開かれたことがある。

そのときに学んだのが、すばらしい「言葉のパワー」だった。

それは3人でのミーティングで、直前に、別のある仕事仲間がわたしたちを不利に追い込もうとしていたことがわかった。

わたしはその状況に動揺していた。

腹を立てていたと言ってもいいと思う。

ひとりは怒りで顔を真っ赤にして、「絶対に許せない!」と吐き捨てるように言った。

何もそこまで、と思ったので、なぜそれほど怒っているのかとたずねると、この友人は「心底から怒りをかきたてれば力が湧いてくる。そうすれば状況をひっくり返すことができるじゃないか」と答えた。

しかし、もうひとりの方はじっと座ったまま、こう言った。

「ちょっとヤダね」

わたしはこの言葉に驚いた。

「なぜ〈腹が立つ〉じゃなくて〈ちょっとヤダ〉なんだい?」

「頭に血が上ると自分をコントロールできなくなる。そうなったら相手の思うつぼだからね」

〈ちょっとヤダ〉…わたしは、こんな間抜けな言葉は聞いたことがない、と思った。

これほど成功した人物が、どうしたらまじめくさった顔で、こんな言葉を使えるのだろう。

だが実は、この友人はまじめくさった顔などしていなかった。

それどころか、わたしだったら気が変になりかねないこの話題を、ほとんど楽しんでいる雰囲気だった。

この〈ちょっとヤダ〉は、彼にとっては絶大な効果のある言葉だったのだ。

しかも、わたしにも効果があった。

この言葉を聞いてから、どういうわけか、少し気分が落ち着いてきたのだ!

そこで、自分でも試してみることにした。

ある出張でホテルへ着いたとき、たしかに予約したはずの部屋がとれていないことがわかった。

部屋をおさえるのにずいぶん時間がかかったので、こう言ってみた。

「ねえ、あんまり長く待たされると〈ちょっとヤダ〉なあ」

フロント係りは顔を上げ、とっさにどう反応していいかわからず、思わず笑顔を見せた。

わたしも、つい笑顔になってしまった。

その後の何週間か、わたしはこの言葉を繰り返し使ってみた。

するとそのたびに、このあまりに間抜けなセリフのおかげで、怒りや落胆を表現するときのパターンが崩れていくのがわかった。

そしてすぐに、心のこわばりがとれていった。

「腹が立つ」「頭にきた」「もう我慢できない」などの言葉を使ったあと、あなたはどんな感情を持つだろうか。

自分に対してどんな質問をするだろう。

あなたの意識はどこを向くだろう。

血圧だって天井知らずに上がってしまうのではないだろうか。

だが、「腹が立つ」の代わりに、「ちょっとヤダ」と言えばどうだろう。

ほかにも、「とても手が回らない」を「引っ張りだこだ」、

「頭にきた」を「少しうるさい」、

「イライラする」を「刺激されている」

「拒否された」を「誤解された」

「もう我慢できない」を「少し気にさわる」

などと言い換えていけば、また違った気分がしてこないだろうか。

だまされたと思って一度やってみてほしい。

言葉には感じ方を変えてしまうだけのパワーがある。

だからこそ、「わたしには夢がある」というキング牧師の演説や、「自分が国のために何ができるかを考えよう」というケネディの言葉は、何十年も前のものでありながら、今でもわたしたちの心を打つのだ。

逆もまた真なりだ。

気分を表す言葉を変えるだけで、幸せな気持ちを増幅することができる。

たとえば「まあまあだ」の代わりに「ゴキゲンだ」と言ってみよう。

単に「おもしろい」というだけでなく「夢中だ」、

「OK」の代わりに「最高」、

「そこそこいい」よりも「すごい!」と感じるようにしよう。

単に「決めた」というより「最後までやりぬく」の方がずっといい。

『人生を変えた贈り物』

アンソニー・ロビンズ

成甲書房