
プロ野球・阪神タイガースの往年の名選手“吉田義男”さんが、フランスのナショナルチームの監督を務めたときのお話しです。
あるテレビ番組で、帰国した吉田さんがインタビューを受けていました。
「フランス人に野球を教えるのに、一番苦労したことは何ですか?」
このときの吉田さんの答えが、あまりにも意外で、私は今でもよく覚えているんです。
吉田さんの答えは、こうでした。
「それは、送りバントです。
フランス人に送りバントを教えるのに、三年かかりました。
フランス人は、“自分がアウトになることがわかっていて、なぜバントするんですか?”ときいてくるんです」
つまり、バントを教えるのに三年かかったというのは、技術の問題ではなく、送りバントの概念を伝えるのに、
それだけの時間と情熱が必要だったということなのでしょう。
引用:子どもの心に光を灯す 日本の偉人の物語
白駒 妃登美 著
致知出版社
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