
三メートルしか歩けなかった人が、
百メートル歩いたら、
それはエベレストに登ったことと同じかもしれない。
人にはそれぞれの山頂がある。
神はそれを個別に見守る役である。
もし神がなかったら、百メートルしか歩けない人は死ぬまで一人前でないことになる。
しかし、神の評価で見ると、その人は最高の登山者なのだ。
私たちが受ける寄付には、よく手紙がついて来る。
多額の人にも少額の人にも、それぞれの思いがこめられていて、
私はそれぞれの山頂物語を聞く思いで感動している。
引用:それぞれの山頂物語
曽野綾子 著
講談社
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