
先日、居酒屋の予約の際も一悶着ありました。
「○月○日に、個室を6人で利用したいんだけど、個室、空いてますか?」
と新橋の居酒屋に電話したら、「空いている」と言う。
それじゃあと、予約を取ろうとすると、「お料理の注文をしていただけますか?」と言ってきました。
「料理の注文も何も、集まってくる野郎どもが何を食いたいのか、
今からわかるわけがないから、行ってから決めるよ」
「それではご予約できません」
「できない!?その理由は何ですか?」
「3つのコースの中から、ひとつ選んでいただくことになっています」
「コースを選ばなきゃいけない理由を教えてよ」
「お客様をお待たせしないように料理を出すためです」
「いやオレたちは酒飲みだから、酒を飲みながら料理を待つのはまったくかまわない。
むしろゆっくり料理が出たほうが、ありがたい」
この時、電話の向こうで固まったのがわかりました。
しばらく間があって、店員はようやく言葉を絞り出しました。
「ちょっとお待ちください。上の者に確認します」
電話を代わった「スタッフ・リーダー」なる人物は、
最初に電話に出た店員とまったく同じ会話を繰り返し、最後にこう言い放ったのです。
「少々お待ちください。店長に確認します」
予想通り、店長もまったく同じ会話を繰り返しました。
このままやりとりを続けていると、さらに上の人間を呼び出しそうだったので、予約をしない旨を告げ、電話を切りました。
引用:野人力
鈴木光司・鈴木美里 著
小学館新書
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