美輪明宏「負と正を自身で分析する方法」

banner02
美輪明宏 いいため話
画像:http://www.cinra.net

みなさん常日頃から、自分の〈負〉は何であるかということをよく見て査定しておくことです。

〈負〉と〈正〉を自身でよく分析して、「私のこういうところは〈負〉なんだ。じゃあ〈正〉のほうはどうだろう」と。

それはまず健康であるとか、健常者として普通の生活ができる。

それがなによりの〈正〉です。

それをあたりまえだと思って〈正〉だと思わない人が多いのです。

病気になってみないとわからない。

また、自分は病気で〈負〉ばかりだと言う人、自分には何も〈正〉がないと思っている人がいる。

だけど〈負〉ばっかりだと思っている人が、健康か愛情に恵まれていたり、面倒をみてくれる人がいたり、物質的に困らないでいられるという〈正〉を持っている場合もあるのです。

逆に大金持ち、大富豪の家というのは、長患いの病人や、けがをしている人がいたりする場合が多いのです。

大金持ちの人で、家族みんなが健康でバリバリというケースは少ないのです。

身内にずっと精神か肉体のどこかを患っている人がいたり、近親憎悪をはじめとした人間関係のおぞましい生き地獄の中で暮らしていたり、というのが私の知る限り、多く見受けられます。

若い女の子には、自分の器量が悪いということを〈負〉だと思っている人もいるでしょう。

だけど頭がいいとか、性格がいいとか、健康であるとか、器量は悪いけど、色が白いとか言われる女の子もいるのです。

ですから、やたらと人をうらやんだりしないこと。

《正負の法則》を知っていれば、妬(ねた)んだり、うらやんだりする必要がなくなってきます。

〈人間は、必ず平等にツケを払わなければならない〉

という基本がわかってくると、逆に同情こそすれ、うらやましがることはなくなってくるのです。

一番肝心なことは、悪いことが起きたからといって、嘆き悲しむことはない、ということです。

悪いことは長くつづきませんから。

そのかわり、良いこともまた長くはつづかない。

だから、良いことがあったときには、施(ほどこ)しをするなどして、そこそこの〈負〉を先回りして自分で意識してつくるとよいでしょう。

そうすれば予期しない、ものすごい〈負〉に襲われなくてすむようになります。

向こうから不意に襲ってきた〈負〉ではなく、自分が意識して前もってほどほどに作った〈負〉であれば、嘆き悲しむこともありません。

仏教でいうところの他人への施しの行はそういうことなのです。

結局自分のための施しということになるのです。

“情けは人のためならず”ということです。

引用:美輪明宏 著
『ああ正負の法則』PARCO出版