
人生を楽しくするのは、気分の切り替えひとつである。
楽しいことを見たり、やらなければ損だと思うこと。
鵜(う)の目鷹(たか)の目で、楽しいことを探しているうちに、日々が楽しくなるものだ。
楽しくなれば、笑いは自然に増大する。
笑いの増大はイコール健康の増大である。
もって、人生は笑うべし。
これが前向きの人生のコツである。
思えば、私はずっとこの「主義」でやってきた。
そのせいか「斎藤はしょっちゅうニヤニヤしている」とか、「のほほんとしている」などといわれるのだが。
私はたいしておいしくない食事やお酒でも、必ず「うまい」っていってみる。
すると、不思議なことにほんとうにおいしくなってくるものである。
自己暗示といえば自己暗示だし、人間の舌などそのように曖昧なものであるともいえるのだが、ともかくなにごとも前向きにとらえる。
人生を楽しく生きることは、ほんとうに大切なことである。
そのためにはアメリカの心理学者ウィリアム・ジェームズがいっているように、「人間は楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しいのである」ということを実践することである。
笑いを求める人生は、楽しくまた健康の元であるというのは、私の長年の持論である。
引用:斉藤茂太 著
『いい人生には「生き方のコツ」がある』だいわ文庫
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