
昔、お釈迦さまが、これから托鉢にでかけようとするお坊さんに、こんなことを言いました。
「貧しい人のところをまわりなさい」
托鉢は、修行しながらごはんやお金をもらいにいくことですから、
お金持ちのところに行ったほうが、たくさんもらえるんです。
でも、お釈迦さまは「貧しい人のところをまわりなさい」 と言った。
それで、そのお坊さんは、インドのスラムのような人のところをまわって歩きました。
そうすると、自分たちもろくに食べられないような人が、ちょっとずつ、ご飯を恵んでくれるんです。
一人がスプーン一杯分ぐらい。
それで、何カ所まわると、やっとおちゃわん一杯分のごはんになる。
お金持ちの家に行けば、一カ所でおちゃわん一杯分のごはんをもらえるでしょう。
でも、お釈迦さまは「貧しい人のところをまわりなさい」 って言ったのです。
「それはなんでですか?」 ってお坊さんが聞いたときに、お釈迦さまはこう答えたそうです。
「貧しい人は、もらうことばっかり考える。それでは何も変わらない。
人は、人に恵むようになったときに、初めて救われる」
貧しさに苦しんでいる人でも、スプーン一杯でも人に恵むようになったとき、その人の運勢が変わるんです。
だから、お釈迦さまが「托鉢で貧しい人のところをまわりなさい」 って言ったのは、
貧しい人の運勢が、人に恵み出したときに変わるということなのです。
いま困っている人ほど、人を助けることを考えてはどうでしょう。
そのとき、あなたの運勢が変わって、いまの状況から抜け出すことができるのです。
引用「すべてがうまくいく上気元の魔法」
斎藤一人 著
![]() |