シンクロニシティ「世界を変えようとするのは無力なのか」

いいため話 少年
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冬の細い樹木の枝に、二羽の鳥がとまっている。

「雪のひとひらの重さはどれくらいかな」

シジュウカラが野バトに聞いた。

「重さなんてないよ」

ハトが答えた。

「じゃあ、おもしろい話をしてあげる」

シジュウカラが言った。

「モミの木の、幹に近い枝にとまっていると、

雪が降り始めた。

激しくはなく、吹雪の中にいるような感じでもない。

そんなのじゃなくて、

傷つくことも荒々しさもない、

夢の中にいるような感じの降り方だった。

ほかにすることもなくて、

ぼくは小枝や葉に舞い降りる雪をひとひらずつ数えた。

やがて、降り積もった雪の数は正確に374万1952になった。

そして、374万1953番目の雪が枝の上に落ちたとき、

きみは重さなんてないと言うけど・・・・

枝が折れた」

そういうと、シジュウカラはどこへともなく飛んでいった。

ノアの時代以来その問題に関してとても詳しいハトは、

今の話についてしばらく考えていたが、

やがて独りつぶやいた。

「もしかしたら、

あともう一人だけ

誰かが声をあげれば、

世界に平和が訪れるかもしれない」

引用:「シンクロニティ」
ジョセフ・ジャウォースキー著