隣の芝生は青く見える「環境が変われば上手くいくのか!?」

banner02
画像:http://free-photos.gatag.net/

金剛石が一個、川ばたの小石の群れに、まじっていた。

一人の商人が、めざとく発見し、王様に売却した。

王冠を飾った金剛石の輝きは、大衆を魅了してやまなかった。

小石どもの耳にも、それが入ったので大騒ぎ。

金剛石の幸運が、小石どもにはうらやましくて、たまらなかったのである。

小石どもはある日、そばを通った農夫を呼びとめて哀願した。

「うわさによると、我々と一緒に、ここにころがっていた金剛石のヤツメが、都で、今では大出世しているそうです。

アイツも我々も同じ石ですよ。

我々だって、都へいけさえすれば、出世するにきまっている。

どうか、都へ連れていってください」

ふびんに思って農夫は、小石を荷に入れ、都へ持参した。

望みどおりに小石らは、あこがれの都へはきたが、むろん、王冠を飾るどころではない。

道路に敷かれて、毎日、多くの車のわだちに苦しめられ、後悔の涙にくれたのである。

顔をしかめて飛んでゆくフクロウを、連れのハトが呼びとめた。

「おいおい、そんな、うかぬ顔して、どこへいく」

さびしそうに、フクロウが答えた。

「知ってのとおり、この里の者たちは、悪い声のオレを嫌うので、所を変えようと決心したんだよ」

くくと笑って、ハトは、

「それはムダだよ、フクロウさん。

いくら所を変えたって、おまえの声を変えないかぎり、いく先の者はやはり、おまえを嫌うだろう。

古巣を捨てる覚悟があれば、声を変える努力を」

と、忠告したという。

引用:「光に向かって100の花束」
高森顕徹 著
1万年堂出版