
この世に絶対不変の真理はあるだろうか。
目まぐるしい変化の時代である。
永久に変わらないものなどない、と思いがちである。
だが、絶対不変の真理は厳然としてある。
その第一は、「人は必ず死ぬ」ということである。
この世に生まれて滅しない者はいない。
いまここにいる人で、五十年後に生きている人はいるだろうが、百年後も生きている人はいない。
第二は、「自分の人生は自分しか生きられない」ということである。
幼子(おさなご)が病気で苦しんでいる。
親は自分が代わってやりたいと思う。
だが、代わることはできない。
その人の人生はその人以外には生きることができないのだ。
第三は、「人生は一度限りである」ということ。
人生にリハーサルはない。
また、再演することもできない。
これは地球上に人類が誕生して以来の不変の真理である。
この事実を真に受け止める時、深い感動が湧き上がってくる。
私たちは図らずして、奇跡のような命を、いま生きているのだ。
このかけがえのない命をどう生きるか。
そこに人生の道標(みちしるべ)が要る。
古来、幾多の聖賢(せいけん)がその道標を私たちに示してくれている。
引用:藤尾秀昭 著
『人生の大則』致知出版社
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