
《将来の目標はない方がいい。自分の夢なんて忘れてしまおう》
こんなことを言うと、ちょっとビックリされるかもしれませんが、“成幸”体質っていうのは、より「バカ」になることなんですよ。
よく、
「人生、目標を持つんだよ。自分の目標がない人は、途中で挫折しちゃうから。ただ漠然と生きているとなんとなくそのまま流されて、自分の夢や理想の人生が生きられなくなっちゃうから」
って言われてますよね。
でも私は、うちの若い人たちには、
「目標を持つな。志を持て」
って言ってるんですよ。
私たちのやっているNPO法人「読書普及協会」は、自分の小さな夢を目標にしている人たちの集まりじゃなくて、みんなが、それぞれ、目の前にきた人を元気にしようっていう志を持った人の集まりなんです。
「目標を持って、それに向かってコツコツ実現していく」
確かに、それもひとつの王道なんです。
「バカ」と言われるくらいにそこに突き進んだら、きっとうまくいくことでしょう。
ただね、目標にしばられて、その通りにできなかった時、イライラしちゃったり、がっかりしちゃったり、中途半端な自分に悩んじゃったりとか、そういう考え方だけしか知らないことで苦しんじゃっている人、いませんか。
それだけじゃなく、
「私って、これって言える夢とか目標がないんです。それが悩みなんです」
って悩んでいる方、いらっしゃいませんか?
そんな方のために、他にも王道があるんです。
それが、
「目標を持たなくてもいい。そのかわり、自分の人間力を限りなく高めていく。そうすると、やがて人生は思ったとおりになる」
って方法なんです。
「日本一の何々になる」
とかって、遠くから目標を持ってくるんじゃなくて、目の前の人、目の前の物事に心を込めて集中するんですよ。
私の場合もそうなんです。
ただ、来てくださったお客さんを喜ばすことに集中していただけなんです。
目標は、遠くにあるんじゃなくて、目の前にある。
それを、“顔晴(がんば)”る。
そうすると、自然に道ができてきちゃう。
目標がなくても「あきんど感覚」さえあれば、道って自然に開けてくるものなんです。
『まず、人を喜ばせてみよう』プレジデント社
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