
従来の集中力の出し方と言えば、アフォメーション(ポジティブな言葉を使った自己暗示や誓い)によるポジティブ誘導、叱咤激励などの緊張感、緊迫感をもたらしてやる気を出させるという、どちらかと言うと軍隊式のトレーニングです。
「〇〇しないとこうなるぞ」「もっと〇〇しないとダメだ」「今のままでは〇〇なるよ」「隣のあの子に負けてしまう」と洗脳させて、戦闘もモードに入るような集中力、モチベーションのつくり方がほとんどです。
これらは、切羽詰まった感があり、ハチマキを締めて自分を奮い立たせてモチベーションを上げていくようなイメージです。
このような状態で脳の中で活発になっている神経伝達物質(ホルモン)は、ノルアドレナリン、アドレナリンです。
これらは、いわゆる闘争、逃走ホルモンと言われています。
つまり、他と戦うとき、逃げるときに出る火事場のバカ力的なパワーの源です。
自律神経で言うと、交感神経が活性化している状態です。
残念ながら、この状態ではリラックスしている暇など、まったくありません。
逆に緊張感満載で、一息もつけない状態です。
脳がこの状態だと、集中力を持続するのが難しく、ピークはつくるものの、一過性のものになってしまいます。
「後がない」という危機感から行動を起こさせるわけですから、当然、疲労も早くきてしまいます。
切迫感、戦闘状態からのモチベーションは、これからの多様性の時代には似合わないと言えます。
ノルアドレナリン、アドレナリン誘導型の集中力以外に集中力を高める方法が求められています。
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川崎 康彦 著
若月 佑輝郎 監修
フォレスト出版
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