【自然から学ぶ】どんぐりが温暖な環境で育つのか?

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「どんぐりが小さな芽を出した時、見えないけど土の中には小さな根も出ている。

根は一度も太陽を仰がず、空の青さも知らないまま、小さな芽が大きな木に育つのを助ける。

地上に顔を出した芽は嵐に耐え、かみなりに脅え、動物に食べられそうになったりしながら、周りの木と競い合いながらも大きくなる。

もし、どんぐりが居心地のいい温室で育てられたらどうなるかしら?」

「温室で?」奇妙な発想に凛花はとまどった。

「大きな温室よ。なんの苦労もない、なんの努力も要らない環境だったら?」三十代が付け加えた。

「育つことは育つわよね。たぶん」全員がうなずいた。すると七十代が微笑んで言った。

「でもその樫の木は丈夫で頑丈かしら?強く、凛々しく、たくましいかしら?そしてやさしいかしら?」

引用:「瑠璃色の涙」
泉ウタマロ 著
プレジデント社