
僕たちって、どちらかと言うと、「freedom from(〇〇からの自由)」のことばっかり考えているんだけれど、これはどちらかと言えば前提なんですよね。
それがなければなにもはじまらない。
「〇〇からの自由」って、言ってみれば過去からの自由なわけです。
それに対して「freedom to(〇〇への自由)」は未来に向かっているでしょ。
そして「availability(状況が求めることに応じる自由)」は現在の話です。
「freedom from(〇〇からの自由)」を得て、過去からのともづなをまず切っておかないと、未来や現在に自由が生きてこない。
足に重しがついたみたいで、それこそ自由に羽ばたけない。
だから、この三つの自由は一つのセットになっているんですよ。
「自由」があるからこそ、「本来的な自分」を表現できるわけです。
「自由」がないと、「自分」なんか表現できないですよ。
借り物の自分を表現しているだけになってしまいます。
「自由」って、決して、「好きなことがなんでもできる」という意味ではないんですよね。
昔、フリーセックスというのがはやった時期があったけど、実態は性欲にひきずり回されているだけで、フリーどころか不自由そのものの、性欲の奴隷状態になっている場合が多かったようです。
できないことはできないと受け入れ、してはいけないことはしないと自分を律していくことも、自由の中に組み込まれているんですね。
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青虫は一度溶けて蝶になる
藤田 一照 著 / 桜井 肖典 著 / 小出 遥子 著
春秋社
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