【納得】江州商人が伝える「商売繁盛する考え方」

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昔、呉服物を担って、いつも碓氷峠を越えていた二人の商人がいた。

一人があるとき、さぞ疲れたように、路傍の石に腰をおろす。

「疲れたではないか、ひと休みしよう。この峠が、もう少し低かったら楽に越されて、うんともうけられるのになァ。おまえ、そうは思わんか」

うらめしそうに、高い峠を見上げた。

「オレはそうは思わない。それどころか、この峠が、もっともっと高くて、険しかったらいいと思っている」

そう答えたのは、連れの江州商人である。先の商人はいぶかって、

「どうしてだ。おまえは苦労がしたいのか。おかしなやつだ」とニガ笑いした。

「そうじゃないか。この峠が楽に越されたら、だれでも越して商売するから、あまりもうからないのだ。

この峠が、もっと高くて険しければ、だれも、この峠を越えて商いをする者がいなくなる。

それを越していけば、商売は大繁盛するのだ」

引用:「新装版 光に向かって100の花束」
高森顕徹 著
1万年堂出版