リタイヤできない仕組み

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猫 いいため話
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いまの世の中は、リタイヤできない仕組みになってきました。

おそらく75歳まで働かないと、元気で楽しい一生にならないと思います。

そうなると、ざっと50年は働かなくてはなりません。

これを前半生と後半生に分ければ、いままでの2倍は働かなくてはなりません。

たったこれだけ考えても、1つの能力、1つの特技、得意技では、世の中を渡れないことがわかります。

多才力は、どうあっても必要かくべからざるものになってきました。

前半生のうちに、後半生で活用できるような勉強をしておくことが、求められてきたのです。

もっとくわしくいえば、いまから10年後、20年後、30年後を、それぞれの年齢に応じて見通さなければなりません。

かりに現在30歳だったら、60歳頃の社会をじっくり考えないと、後半生で大失敗することになりかねません。

生きていこうにも、職もない、貯えもないという状況になっているかもしれないのです。

私がこういうのも、私の同期で失敗した男たちが、大勢いるからです。

彼らの多くは、私より優秀でした。

だから、私もうらやむような一流会社に就職しています。

ところが世の中の流れは、それらの大企業を、あとかたもなく押し流してしまったのです。

巨大な変化の圧力は、私たちの安定した生活を、こっぱみじんに砕いてしまうのです。

一流企業に就職できても、いまはなんの保証にもなりません。

下手をすると1年で、希望退職を求められてしまいます。

そういった不安定な世の中で、自信ある生活をするには、どうしたらいいのか?

一つには世の中の流れを読むことでしょうし、自分自身に実力をつけなければなりません。

要は、いまを重く見るか、将来を大事にするかなのです。

もう少し深くいうならば、見えるものに寄りかかるか、見えないものを大切にするかなのです。

私は後者で勝負してきましたが、それは人それぞれでしょう。

社会は常に新陳代謝しています。

古いものはなくなりはしませんが、舞台裏に引っ込むことはたしかです。

それらを知識として貯えておくことは、とても大切ですし、意外に喜ばれます。

多彩とは、単に華やかというより、古さと新しさの彩りの鮮やかさをいうのだと思います。

多才も同じように、古典と新作の両方を演じられる役柄の広さではないでしょうか?

ただ表の顔、裏の実力は、新しい情報、新しい技術でなければなりません。

これらの力をぜひ発揮してほしいと思います。

『多才力』東京堂出版