自分イノベーション

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イノベーション いいため話
画像:http://publicdomainq.net

日本の長所でもあり短所でもありますが、従来の社会に存在しなかったものが登場すると、まずネガティブに反応します。

そして過去のルールに照らし合わせて、どこに該当するかを探して規制しようとします。

そもそも、法律や社会制度は、その時点で存在しない要素を想定せずにつくられているものですが、現在の秩序を守るために、半ば強引に該当項目を見付けようとするのです。

これに対して英米法では、新しいものが出てきても、法律で禁止されていなければ問題ないと考えます。

ですから、新しい技術やサービスが生まれると、「とりあえずやっちゃえ」と社会に送り出す人が現れる。

それが社会に浸透し、どこかで混乱が起きて初めて、法律が制定されたり、社会制度が変更されたりします。

日本とアメリカ、どちらの考え方が良いか悪いかに関しては各議論がありますが、少なくともテクノロジー進化やその活用という点に関しては各議論がありますが、少なくともテクノロジーの進化やその活用という点に関して言えば、英米法的な考え方のほうがはるかにスムーズに進みます。

日本人も、個人としては「便利なものは使っちゃえばいいじゃん」と簡単に受け入れますし、新しいものを使いこなすことも得意です。

学校でLINEが禁止されていても、プライベートな世界ではどんどん広がっていくというようなことはよくあるのではないでしょうか。

問題は、新しいものを拒絶する日本的なマインドセットが、国の法律のレベルから行政指導、そして会社の経営、ビジネスのアプローチにまで浸み込んでしまっているということです。

このままでは、いつまで経っても、私たちがIT革命の恩恵を受け、再び成長していくことはできない。

まずはこの認識からスタートしなければいけません。

では、私たちが取り入れるべきIT革命の本質とは何なのか。

まず1つ目が「効率革命」です。

従来現実社会で行われていたことが、ネットを介することによって劇的に効率化されました。

例えば、「アマゾン」を始めとするECサイトの登場です。

これにより、書店での購入が一般的であった書籍は、ネット上で簡単に買うことができるようになりました。

食料品、衣料品、家具、電化製品など生活に必要なものがすべて揃い、インターネット環境がさえあれば、いつでもどこでも買い物ができる。

証券会社も同じで、今では個人取引の99%がネット上でトレードされています。

わざわざ証券会社の窓口まで出掛けたり、電話をしたりする必要はなくなりました。

あとは、社内組織の電子化により、効率化され、組織もフラット化されていきます。

2つ目の革命は「検索革命」です。

私たちは、何か知りたいことがあれば、パソコンやスマートフォンで世界中の情報を簡単に検索できます。

あらゆる情報が瞬時に、しかもその多くは無料で入手できます。

この検索革命は、“専門家”の定義を変えました。

20世紀まで、専門家とは、どの組織に属し、どのような業務に従事しているかによって決まっていました。

組織の中でなければ、その分野の情報を得ることはできなかったからです。

しかし現代では、自宅で検索するだけで、どの分野の専門家にもなれるようになりました。

自動車産業で働く人より車に詳しいアマチュアや、JR職員より電車に詳しい鉄道オタクはたくさんいます。

彼らがそこから新たなビジネスを起こし、本当のプロとして活躍することも珍しくない世の中になりました。

しかし、この検索革命の重大さを、多くの経営者が認識していません。

何か購入するものがあれば、わざわざ業者を集めて相見積もりを取るよりも、「楽天市場」で価格を調べたほうがよほど効率的です。

ところが「勤務中にショッピングサイトを開いてはいけない」などと言われてしまう。

挙句のはてに、アクセス制限のフィルタリングや、USBの持ち込み禁止など、無意味な社内ルールを設けている企業が少なくありません。

3つ目は「ソーシャル革命」です。

SNSの浸透などにより、個人の情報発信力は飛躍的に向上しました。

誰もが自分の考えや発見を世界中に発信できるようになった。

検索革命によって情報収集能力が高まった個人が、さらに情報をシェアするためのツールとしてSNSを使うことで、相乗的に触れられる情報の量が増え、お互いに意見交換や議論ができるようになったわけです。

そうして、いわゆる「アルファブロガー」に代表されるように、一般の人の中にも大きな発言力を持つ存在が現れるようになりました。

企業の競争力は、何によってもたらされるか。

仕事をしていると、「ここはこういう風に直したほうがいいな」といった発見や、小さなアイデアといった、個々の社員の“気付き”がたくさん生まれます。

それを共有して横軸にしていくことが、その企業の競争力です。

トヨタに代表される“カイゼン活動”はまさにそうです。

作業効率の向上や安全性の確保などに関して、経営陣から指示されるのではなく、現場の作業者が中心となって知恵を出し合い、ボトムアップで問題解決を図っていく。

これを全社的に共有し、品質向上や効率化を進めていくスピードによって、日本の製造業は一気に競争力を得たわけです。

ここで重要なのは、その気付きが個人によってもたらされたということです。

個人の気付きが共有され、蓄積されることで企業の競争力は高まっていきます。

個人と組織の関係性が、常に競争力の源なのです。

『自分イノベーション』SOGO HOREI