
「みんなが集まっている野原には野イチゴはない。だから、野イチゴがたくさんありそうな未開の場所を探す。
流行に関わる仕事をしてきて思うのは、今流行っているものは、1年前に植えられていたということです。
ヒマワリが高値で取引されていたら、必要なのは今、タンポポを植える勇気です」
秋元康(作詞家、プロデューサー)
普通、放送作家は短期間、それも継続的にヒットを出さなければならない立場にある。
その場合、どうしても過去の成功した番組をなぞりがちである。マーケットの最大公約数を求めてしまう。突出したアイデアが重視される業界にもかかわらず、失敗の恐れから平準化した方向を目指してしまうのである。
秋元は放送局の社員ではないから、みんなと同じことをしていては負けてしまうと考えてきた。
だからこそ企画の優位性・差別化を重視してきた。
それは「言うは易く行うは難し」である。
どうしても人は目先のヒットを追ってしまう。
ブレずにタンポポを植え続けていれば数年に一度ブームは巡ってくるが、ヒマワリだ、チューリップだと右往左往していると、いつまでたっても永遠に5分遅れで走り続けることになる。
「みんなとは逆へ逆へと行く。それが僕のやりかた」と秋元は言うのである。
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すぐやる人の“超えてる”思考法
藤沢久美 監修
三笠書房
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