
私は、子供たちにいつも次のようにいう。
「今日から“私はできない”といってはいけません。
何かをはじめるときには、一言、“私はできる”といってはじめなさい。
そうすると、たいていのことをなし遂げられるようになります。
その力を使ってもなおできなかったときに、“私はできなかった”といっても遅くはないでしょう」
子供が弱氣になって、「できない」などといったら、私は呼び止めて「コラッ。できるといいなさい」とやり直させる。
「できる」といおうが、「できない」といおうが、たいしたことはないなどと考えたら、大間違いである。
このささいないいまわしが子供の潜在意識に入っていき、その子を積極的にしたり、無氣力にしたりするのである。
このように子供にプラスの考え方をさせるには、親も子供をプラスに見なければいけない。
親や教師は、ときに子供をよい子と悪い子に分けたがるが、それは間違いである。
だいたい、10のうち、よいところが8で、悪いところが2の子供は、“まあまあよい子”の部類に入れられる。
逆に、よいところが2で、悪いところが8だったら、“悪い子”で、手がつけられないと見なされる。
これがいけない。
子供をプラスに見ようと思ったら、2のよいことに注目して、その子にさらに自信をつけさせるようにすべきだろう。
そうするとおもしろいもので、残りの悪い8は徐々に消えていくものだ。
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氣の威力
藤平光一 著
幻冬舎
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