人生に生ずる錯誤や過失

banner02
慌てず いいため話
画像:http://publicdomainq.net

人間というものは男女の別なく、いかなる場合にもその人生に生きる際、慌ててはいけないのである。

というのは、人生に生ずる錯誤や過失というものは、その原因が、心が慌てたときに多いからである。

慌てるというのは、またの名を周章狼狽(しゅうしょうろうばい)というが、これは心がその刹那(せつな)、放心状態に陥って、行動と精神とが全然一致しない状態をいうのである。

だから、さまざまの過失や錯誤が生ずるのも当然である。

そしてそういう心になると、時には笑えない滑稽ともいうべきミステイクさえ行うのである。

たとえば、手に持っているのを忘れてその物品を紛失したと早合点して、大騒ぎして探すなどという、常識ではとても考えられない珍芸さえ演出するのである。

すなわち、結論的にいえば、真に沈着な心こそが、明澄(めいちょう)なる意識を生み出し、明澄なる意識こそがその行動を截然(せつぜん)として遅速緩急誠によくこれを統制するものである。

すなわち武道の極意を把握するものや、その他神技に入るような堪能清廉(たんのうせいれん)な人は、皆この真理にしたがっているからなのである。

『ほんとうの心の力』PHP研究所