自分の行動に不安を感じていても

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不安 いいため話
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自分の行動に不安を感じていても、それを人前で言えばその行動を最後まで一貫してとり続ける強い動機になる。

たとえば、結婚を申し込まれて「イエス」と言えば、そこに自分の言葉への責任が生まれる。

さらに、婚約を発表すれば、第2の責任が生じる。

そして、その後の行動はすべて、責任を重くすることになる。

親に言う、親戚に言う、友だちに言う、職場の同僚に言う、指輪を買う、記念写真を撮る、式場を選ぶ、など。

どちらか一方、あるいは双方が結婚をとりやめようと思っても、人前で何度も公言した手前、予定どおり式を挙げてしまったほうが楽だと感じる。

自分の立場を正式に表明すればするほど、それを変えづらくなるものだ。

社会心理学者のモートン・ドイッチュとハロルド・ジェラードが1955年におこなった有名な実験が、この原則を実証している。

学生たちを3つのグループに分け、どのグループにも何本かの線を見せて、その長さを推測するよう求めた。

グループAの学生は自分の推測を紙に書いて、それに署名し、提出しなければならなかった。

グループBの学生は自分の推測を紙に書いたが、あとから消しゴムで消すことができた。

グループCの学生は推測を紙に書くことを求められず、心の中で覚えているだけでいいと指示された。

線の長さに関するヒントが提出されても、自分の推測に最も固執したのは、それを書いて署名し、提出したグループAの学生だった。

それに対し最も簡単に答えを変えたのは、何も書かなかったグループCの学生だった。

学校や会社、その他さまざまな団体の伝統や習慣、儀式などは、責任感を生み出すことを目的に確立されたものだ。

自分の誓いや信念、発言、努力目標などを公言すると、それを守らなければならないと感じる。

自分が公言したことを撤回するのは可能だが、それには心理的な代償を払わなければならない。

しかも、公言した対象が多ければ多いほど、心理的な代償は大きくなる。

『相手の心をつかんで離さない10の法則』ディスカヴァー