「人間の尊厳」を失った日本人

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日本人 いいため話
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1980年代頃まで、日本の社会は「公が大事」という認識を多くの国民が共有していたように思う。

私はちょうどその頃に社会人になったが、例えば道端で弱い者いじめをしている子供がいれば、コラッ!と怒鳴る大人がいたものだ。

社会人になって大阪勤務となり、近郊の豊中市に住んだ。

風情ある下町で、子供たちがケンカをしているとどこからかランニング姿のおじさんがやってきて、「何ケンカやっとんだ、そんなひきょうなケンカすな!」と叱ったり、歩道を子供が自転車で走っていると、「ここは人が歩くところだ」と注意したりしていた。

ダメなことはダメなんだ、ならぬことはならぬ、公に反することをしてはいけないという共通認識があった。

人間もちろん自分が大事である。

今が大事だし、お金もとても大事だ。

しかし、自分よりも他人の方が大事なときもある、今よりも未来の方がもっと大事、お金よりも大切なものがある。

それが“人間の尊厳”であると思う。

他の誰よりも自分が大事、どんな未来のことよりも今が大事、お金よりも大事なものはない、そのような考え方の中にいては、人間としての尊厳は著しく損なわれていくだろう。

今だけ、自分だけ、お金だけという思想が、どれだけ現在のこの地球をダメにしてきたか。

なぜ社会が劣化してきたのか?

それは“人間の尊厳”を失った日本人が増えてきたからである。

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なぜ世界は日本化するのか

佐藤 芳直 著

育鵬社