
私がやってきたことというのは、つまりは、「お客さんの困っていることを見つけ出し、そこに解決策を提案する」ということだけ、ただそれだけとも言えます。
たとえば、みなさんが懇意にしているお得意先のところに行ったとしましょう。
そこで先方に「いま、困っていらっしゃることはどんなことですか?」とたずねた場合、どういう答えが返ってくるでしょうか?
おそらく1時間もヒアリングさせてもらえば、10個くらいは答えが返ってくることと思います。
これは何も、一つのお得意先に限定する必要はありません。
右のように、営業先で、お客さんにとっての問題点を見つけ、その解決策を考え抜いた上で提案ができるのであれば、それはそのまま営業戦略になり、他の営業先でも使えることになるでしょう。
さらに、この意識を社内に向け、みなさんの上司や同僚が困っているところを見つけられたのであれば、社内の信頼を勝ち取ることにつながるでしょう。
すぐにうまくできなくとも、さまざまな場面で、そうした周囲の人たちの困っているところに解決策を提案できるようになったのであれば、いずれはもっと大きい問題、たとえば会社にとっての問題だって解決できるようになります。
実際、そうした周囲の人の「困っていること」に目を向けるだけで、これまでお話ししてきた「顧客目線」は養えるのです。
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ユダヤから学んだモノの売り方
立川 光昭 著
秀和システム
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