砂漠で迷い、脱水状態で死にかけている男の話

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砂漠 いいため話
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砂漠で迷い、脱水状態で死にかけている男の話がある。

やっとの思いで空き家にたどり着くと、その荒れ果てた、窓のない、雨風にさらされた掘っ立て小屋の外にポンプがあった。

「やった、水だ!」と彼は思った。

そして、よろめきながらそこまで行くと、すごい勢いでポンプを動かし始めた。

けれども、井戸からは何も出てこない。

心臓が早鐘のように打ち始めたとき、男はコルク栓のついた小さな水差しがあるのに気づいた。

横には何か書いてある。「呼び水を差さないと、ポンプから水は出ません。追伸、立ち去る前にまた水差しに水を入れておいてください」。

コルク栓を引き抜くと、水がいっぱいに入っていた。

男は二つの選択肢を秤にかけた。

この水をポンプに流すべきだろうか?それで、もし水が出なかったら?水はまったくなくなってしまう。

いっぽう、自分が水差しの水を飲めば、渇きで死ぬことはなくなる。だが、水差しの横に書かれた、怪しげな指示どおり、さびたポンプに呼び水を差すことはできなくなる。

汗をしたたらせながら、男は心の声に耳を傾け、リスクのある選択肢を選んだ。

前に進むと、水差しの水を全部さびた古ポンプに流し込み、必死にポンプを上下させたのだ。

果せるかな、水は湧き出た!

男は飲みたいだけ水を飲むと、感謝しながら少し考え事をした。

そして、水差しに水をいっぱいにすると、コルク栓を閉め、注意書きに言葉を書き足した。

本当です、水は出ます。けれども、それを信じなければなりません!

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あきらめなかった人々

デニス・キンブロ 著

ナポレオン・ヒル 著

田中 孝顕 訳

きこ書房