
車のハンドルには「あそび」が不可欠です。
あそびがないと「余裕」がありません。
余裕がないと「危険」です。
このように「安全なもの」「丈夫なもの」には、
かならずあそびというすき間が用意されているものです。
少しおしゃれな言い方をすれば、安全や強度は
「アローアンスによって保証される」、
アローアンスとは余裕とか柔軟性のことです。
たとえば建物などでも、いくら素材の硬度や強度を高めても、
建築構造の仕組みにこのアローアンスを確保しておかないと、
外から加えられた力や衝撃をもろに受け止めてしまうため、かえって倒れたり壊れやすくなってしまいます。
すき間やあそびが、力を吸収したり、
逃すクッションの役目を果たしてくれるわけです。
つまり「力を抜く」仕組みがないものはもろいです。
本当に強いものは柔軟である。
真に頑丈なものは柔らかい部分をもっているといえましょう。
このことは人間にも当てはまることです。
~~~
出典
[「抜く」技術]
上原 春男 著
サンマーク出版 より
![]() |