
「もし神が人間の祈りをそのまま聴き届けていたならば、人間はすべて、とっくの昔に滅びていたであろう、というのは、人間はたえず、たがいに、多くのむごいことを神に祈ってきているから」
これは古代ギリシャの哲学者エピクロスの言葉です。
ここでは神様が人間の願いをかなえていたら、人間は滅びていただろうという逆説を唱えています。
本来、神様が願いをかなえてくれたら、人間は幸せになるはずです。
しかし、人間は人の不幸を願ったりするので、それがかなえられたら、みんなお互いに殺し合うことになるということです。
「子どもを不幸にするいちばん確実な方法は何か、それをあなたがたは知っているだろうか。それはいつでもなんでも手に入れられるようにしてやることだ」
これはフランスの思想家ルソーの言葉です。
つまり、子どもを不幸にするのは、なんでも手に入れられるようにすることだという逆説です。
普通はなんでも手に入れば幸せだと思いがちですが、子どもの将来を考えると、そんなふうに甘やかしていると、あとで苦労するということです。
これはまったくその通りで、大人になって自分で何もかも手に入れなければならなくなったとき、それがかなわず不幸な気持ちになってしまうのです。
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成功する人はみんな≪逆≫に考える
小川 仁志 著
ぱる出版
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